丹生峠
昨年12月に伊勢本街道を歩いていたとき、下のような石碑を見ました。
丹生大師道と刻まれています。17年前に歩いた時も見ていたのですが、その時はそのままでした。今回は一寸気になったので調べてみました。丹生大師というのは神宮寺のことで、地域では有名なお寺です。和歌山別街道が通っていたりするので私も何回かお参りしています。
その丹生大師へ行く道だなと地形図を見ると、下図のようでした。
上端の丹生大師道石碑から下端の丹生大師まで道を辿ると、途中の丹生峠を越えて昔は道が有ったようです。現在は丹生峠付近で道は消えているようですが、冬場だし雑草も枯れているし、行けるかもしれないと歩いてみることにしました。正月やコロナで鈍った身体を蘇らせるのに良いかもしれません。
2021年1月5日(火)
朝9時半頃JR多気駅に着き、調べておいた多気町の町営バスに乗りました。相可駅やいろいろ経由して10時18分頃目的の丹生大師道石碑の近くの相場バス停に着きました。
ここから3~4分で石碑の有る丹生大師道入口です。入口からは良い道があります。
この日歩いた軌跡です。
大師道へ入って5分ほどで道は山に入りました。でもまだ下は舗装されています。
更に5分、道が二股に分れましたが、早速ここで間違えました。正解は右ですが、左の舗装路へ入ってしまいました。幸いGPSで現在位置を調べすぐ気付いて引き返しました。
5分か6分のロスで右に入ると、すぐ小さな道標石碑があり間違っていないと確信しました。刻まれた文字は一寸読めませんが。
石標から6~7分歩くと、今度は大きな土砂崩れで道が無くなっていました。諦めて帰ろうかと思ったとき、中電の鉄塔点検路が下に向かっているのに気が付きました。点検路も土砂崩れのため、谷底へ迂回しているようです。その道で下へ降りて谷底を迂回しました。
土砂崩れを下から見上げています。本来の道は上の方に有ったはずです。迂回した道には階段が作られていました。
本来の道に復帰しました。少し登って沢も浅くなってきたころ、今度は道が不明瞭になってきました。小さな土砂崩れなどが頻発して、道が消えているようです。でも峠はもうすぐのはずと、道なき道を進みます。
迂回した地点から15分位、11時一寸過ぎの状況です。
更に7~8分、GPSで見て、この先が峠かなと思う辺りです・
角を曲がると峠が見えました。ほっと一息です。
11時15分、峠に到着です。相場バス停から1時間弱ですね。
峠には小さな案内がありましたが、字が読めませんでした。
峠からの降り道は良さそうなのでほっとしました。
でもそうは問屋が卸しませんでした(笑)。竹林の道は倒木ならぬ倒竹で一杯でした。
でもまあ、竹林は5分で抜けました。
峠から15分で東名阪の下を潜りました。
潜るとまた小さな案内があり、今度は伊勢本街道と書かれていました。
先ほど峠で見た案内も多分同じ伊勢本街道と書かれているのでしょう。でも昨年12月に歩いた伊勢本街道との関係はどうなるんでしょう。一寸地図を開いてみます。
この地形から見ると、左の津留橋を渡って(昔は渡し船)きた旅人が、丹生大師にお参りして、再度伊勢街道に戻るときに通った街道だったかもしれませんね。
少し下ると視界が開け、丹生の里が見えてきました。
丹生下村のバス停辺りに着いたのが11時45分。
5分ほどで和歌山別街道の案内があります。熊野街道の野中から分かれて和歌山街道に合流する道ですが、JR佐奈駅前を通って、ここ丹生大師へ来ているのです。
3分で丹生大師すなわち神宮寺の山門です。長らく修理で覆われていましたが、新しくきれいになりました。
和歌山別街道は、この門前で右折していきます。大きな石標があります。
神宮寺は隣接する丹生神社の神宮寺で、奈良時代末期開山の名刹です。丹生神社は奈良時代中期以前に遡る、由緒ある神社です。名前の丹生は水銀を意味します。日本全国、丹生の付く地名は多いですが、すべて水銀の産地です。
その丹生神社にまずお参りしました。
そして神宮寺本堂へ。弘法大師空海を祀っています。丹生大師も空海をさしています。
参拝の後、本堂の裏山に登ってみました。高台で丹生大師全景が拝めます。
ここで昼食休憩としました。12時40分頃昼食を終え、さてどうするか考えました。門前から多気駅へ向かう町営バスが13時50分に出ます。まだ1時間以上あります。待っていてもしょうがないのでJRの栃原か佐奈駅へ歩く。
栃原へは5キロ弱、佐奈へは5キロ強です。時刻表では佐奈発14時01分です。前述の和歌山別街道を歩いて佐奈へ行くことにしました。一寸引き返して、例の案内があった道へ入ります。
先ほど潜ってきた東名阪をまた潜って行く方向です。
13時頃、東名阪を潜りました。
この辺りには、良いお寺が3ケ所あります。近長谷寺、金剛座寺、普賢寺です。時間があれば寄りたい所です。
歩くなら下図の緑の経路が良いでしょう。私も過って歩いたことがあります。
下の写真は赤線から青線の伊勢別街道を見ています。
途中で伊勢別街道と合流します。ここからは佐奈駅まで伊勢別街道を歩きます。
情緒ある街道です。
佐奈駅の有る平谷の集落へ入ってきました。伊勢別街道と熊野道の分岐の石標です。
平谷の集落です。
13時48分、神宮寺から1時間10分弱で佐奈駅に到着しました。
これ逃がすと次は17時19分。3時間以上無いんです。
楽しい山旅でした。
今日は急ぐので赤線の最短距離を歩きました。
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