竹鼻街道
中山道と東海道を結ぶ街道として美濃路がある。美濃路は中山道の垂井から大垣を経て、清州などを通りながら熱田の宮で東海道に合流する。その美濃路の脇往還として竹鼻街道がある。
竹鼻街道は大垣で美濃路と分かれ、揖斐川を渡って安八町に入る。そして長良川を渡って竹鼻(現在の羽島市)に至る13キロほどの短い街道です。竹鼻からは駒塚道が接続し、木曽川を渡って富田で再度美濃路に合流します。駒塚道は7キロ程でしょうか。ただ現在は木曾三川に渡し船は無く、県道に架けられた橋に迂回するので、歩く距離としては30キロ近くになります。
2022年8月29日(月)
11時ちょっと前に大垣駅に着きました。竹鼻街道に入る前に、大垣城址や奥の細道の遺跡を見るつもりです。
上図の緑の線は美濃路です。赤い線は私が歩いた軌跡です。大垣駅から、まっすぐ南下して10分弱、郭町に来ました。11時頃です。
この辺に大垣城址への案内があり右折します。
大垣城は関ケ原の合戦のとき西軍の石田三成が入った城です。
遺跡は殆ど残っていません。通り抜けて市役所の傍の水門川に来ました。過っては大垣城の外堀だったとか。
ここから水門川に沿って10分ほど下っていくと奥の細道結びの地で芭蕉の像があります。
この先の東西の通りが美濃路です。
ここから一寸美濃路を歩いていきます。Uターンして水門川を上ります。ここ船町の住吉灯台です。芭蕉は奥の細道の旅を終えた後、ここから船で長島へ降ったそうです。
船町の大きな石の道標です。
美濃路は大垣では大事にされていて、あちこちに親切な道案内があります。
歴史ありそうな和菓子屋さん。
大垣宿の本陣跡です。資料館になっているみたいですね。
そこからすぐ問屋場跡があり、美濃路は左折して行きます。
そこを直進していくのが竹鼻街道です。
美濃路は前述のように大切にされていますが、竹鼻街道は現在、知る人も歩く人も少ないでしょうから、道案内は何もありません。頼るのは地図と感だけです(笑)。11時43分です。
感を頼りに右折すると、割烹屋さんの前に石塔が建っていました。珍しいですね。
この辺りはお寺が多く、寺町のようです。左折すると微妙に道が曲がっています。街道らしいですね。
呉服屋さんの関係も多いですね。まあ、過去の話でしょうけど。
大桑国道と県道が交差する大きな交差点に来ました。禾森(のぎのもり)という難しい名前です。11時54分。
斜めに横断します。すぐに料理屋さんが左手にあります。ここは大垣の自噴水巡りをしたとき、来たのを思い出しました。大垣は地下水が非常に豊富で、十何か所か自噴水があります。
道案内はありませんが、お地蔵さんはあります。このお地蔵さんの後背には右〇〇左竹ヶ鼻とか刻まれているようです。
竹鼻町は江戸時代竹ヶ鼻村と呼ばれていたそうです。12時を過ぎて空腹になってきたので、街道近くの神明神社の境内で昼食休憩させてもらいました。
15分ほど休憩して12時25分に出発しました。すぐに水路があり、水路に沿って南下していきます。
水路の傍にもお地蔵さんがあり、その横に道案内の石標があります。読めません(笑)。
広い自動車道を信号で越へ、新幹線の下を潜ります。12時45分。
すぐに川を渡りますが、その橋が「座頭橋」です。何か謂れがありそうですね。
右手に奥伊吹でしょうか、山並みを見ながら、しばらく田んぼ道を進みます。左折すると郵便局がありました。郵便局も街道の証です。明治時代は、大切な国の財産である切手を預けるので、地方の名士しか郵便局は出来ませんでした。その傍にもお地蔵さんがありました。
覗いて見ると、お地蔵さんに「左大がき、右竹ヶ鼻」と彫られているようでした。
すぐ近くにたばこ屋さんが有ったようです。今では禁煙が常識ですが、昔は街道に煙草屋さんは必需品だったでしょう。
13時過ぎ、揖斐川の土手が見えてきました。
その手前のお寺が「峠越 バ 養樂寺」とか一寸気になりました。
揖斐川の土手に登ってきました。昔はここに渡し船が有ったのでしょうね。
土手の水神様は渡し船の安全祈願でしょうか。
現在は県道18号線の大垣大橋に迂回します。13時16分です。
橋を渡って右折、堤防に降ります。新幹線のほうへ歩いていくと、堤防の上に石碑が見えました。近づくと常夜灯でした。
平町常夜灯と言うそうで、揖斐川を上下する船や平の渡しの安全を祈願したとあります。また、竹鼻街道という言葉も唯一ここだけで見ました。大いに勇気づけられる案内でした。
堤防を下り、新幹線に沿って街道を行きます。13時40分過ぎ、暑いのでドラッグストアで身体を冷やしてから県道18号線を渡ります。
10分ほど歩くとセブンイレブンがあり、そこを右折すると安八町の役場です。
これは中央公民館らしいです。
通り越してまた新幹線を潜ります。
潜って7~8分歩くと運動公園があり、左折します。
ここの野球場のスタンドで小休止しました。6~7分休憩して出発すると、新幹線のすぐ向こうに、パナソニックの大きなソーラーパネルが見えました。14時18分。
大森の交差点で再度県道18号線を渡ります。渡ってすぐ、下の写真の辺りで右折して、長良川に向かいます。
ここから長良川への短い距離の間にも3~4体のお地蔵さんがありました。
長良川の堤防に登り、ここも渡し船は無いので、県道18号線の羽島大橋で渡ります。ところがこの大橋ですが、歩道が手前になく県道を渡らねばなりません。そして歩道は新幹線と自動車道の間を歩きます。何か変ですね。14時40分。
10分ほどかけて橋を渡ると、左側、車道の向こうに小公園があり、謂れありそうな石碑もありますが、見に行く術がありません。わずかに、一つだけ、石碑の文字が「薩摩義士・・・」と読めそうです。宝暦の治水がここにも有るのですね。
少し下って信号でようやく左折して、長良川の堤防の下へ戻ってきました。
ここを右折して街道に復帰するのですが、一寸焦って道を間違えました。下の写真で右折したのですが、早かったようです。
福寿小学校の傍を通って、街道に復帰しました。15時10分です。
ここもなんとなく街道の面影はします。
大西の交差点は地下道で渡ります。
この辺りも結構お地蔵さんが多いです。
15時31分に、名鉄竹鼻線、羽島市役所前駅に到着しました。
駅前は思ったより鄙びていて、宛にしていた缶ビールもありませんでした(泣)。電車の本数は結構あるので、近くの佐吉大仏を見に行きました。美濃の聖人と言われた永田佐吉翁が建立したとか。
次回はここから駒塚道を歩こうと思います。
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一昨年、垂井から大垣・墨俣・羽島・起を経て宮の渡しまで美濃街道を自転車で走りました。美濃街道のうちで羽島あたりを竹鼻街道ということは知っていましたが、大垣のあたりでも竹鼻街道というのですね。知らなかった。
美濃街道には起の南の冨田で分岐し木曽川を渡り羽島市の駒塚に至る脇街道がありますがこれが駒塚街道です。(私は駒塚に住んでおります)
駒塚街道は、尾張藩の家老の石河氏の領地と屋敷が駒塚なので名古屋城までの通勤用に作られたようです。
駒塚を通られる日時を教えていただけばお茶出します。
投稿: 渡邉一平 | 2022年9月 1日 (木) 13時18分
勘違い。美濃街道の一部を竹鼻街道というのではなく脇往還ですか。
小林さんが歩かれた竹鼻街道(大垣から竹鼻)は全く知りませんでした。
駒塚道は、冨田から駒塚までで終わりだと思っていました。もっと西まで続き竹鼻街道に繋がっているということも知りませんでした。
投稿: 渡邉一平 | 2022年9月 1日 (木) 15時01分
渡邊さん、コメント有難うございます。駒塚でしたか。お誘いありがとうございます。でも、途中で沈殿してしまうと、街道歩きになりませんので、ご厚意だけ、有難く頂いておきます。
投稿: フミキ | 2022年9月 1日 (木) 19時30分
竹鼻街道を紹介していただき、誠にありがとうございます。竹鼻街道の起点に誤りがありますので、お知らせします。
竹鼻街道の起点は、「問屋場跡」ではありません。問屋場から左折北進していく「美濃路」を歩かれた方はお分かりかと思いますが、本町2丁目に「細川金属㈱ハウジング金物センター」があり、その脇に石造りの案内道標があります。(この交差点は新町口の三差路です)
この案内道標には、「左 江戸道」「右 京道」と彫られています。京道というのは今歩いてきた道で、江戸道とはこれから進む美濃路のことです。
まさにこの交差点が竹鼻街道の起点といえます。竹鼻街道は、この交差点をまっすぐ東進し(大運寺通り)、新町のほぼ中央を右折南進すると、ご案内の左右にお寺が並んだところに来ます。その時代には、右(西側)に2寺・左(東側)に3寺ありました。一名を「寺町」と呼ばれたようです。
大垣城下に一大事が起きた時、大垣藩士の集合場所に利用するため、ここに集められたといいます。
次の誤りは、「座頭橋」から「平の渡し」までの道程です。筆者が通られたのは新しい道路で、街道は通られた新しい道路と新幹線の間にある道になります。この道を東進すると、ご案内の道標地蔵がある交差点に出ます。この小さな交差点には「右 大垣・左 竹ヶ鼻」の道標が立っています。「平の渡し」は新幹線直下にありました。
ずいぶん端折って書きましたが、参考にしてくださ~い。
投稿: いっちゃん | 2024年3月10日 (日) 19時29分
いっちゃんさん、コメント有難うございます。今日、コメントに気づきました。ごめんなさい。
さっそく、コメントの内容を地図を見ながら、確認してみようとおもいます。
投稿: フミキ | 2024年4月10日 (水) 09時07分