矢倉沢往還 足柄峠越その2
矢倉沢往還は沼津から伊勢原まで75キロほどありますが、今回はそのさわりの部分、足柄峠を歩こうと、JR御殿場線の足柄駅から歩くことにしました。1日目は足柄駅から足柄峠を越え、伊豆箱根鉄道の大雄山駅まで18キロほどの行程です。
2022年6月8日(水)
足柄駅までは4時間ほど掛かるので、朝は6時半頃家を出ました。雨が心配でしたが名古屋付近は晴れています。これなら富士山も見られるかもと期待が膨らみます。
でも関東に近づくにつれ雲が多くなり、御殿場線の車窓からは富士山は無く、雨の心配になってきました。
10時34分に足柄駅に到着しました。
ここは静岡県小山町です。駅舎に役場の支所があったので、一寸入って足柄峠への道筋や宝鏡寺さんへの道を尋ねました。
宝鏡寺は聖徳太子作のお地蔵さんを本尊とし、今日の目的地大雄山にある最乗寺と縁深く、大雄山宝鏡寺と称しています。
引き返して足柄駅近くの馬喰坂から足柄峠へ登り始めました。10時55分です。
急坂を5分登ると嶽之下神社です。源頼光はこの地で坂田金時を召し抱え、向かい側の富士浅間神社の木花開耶姫命を迎えられた?
金太郎伝説は、ここ小山町、峠の向こうの南足柄市のほかに滋賀県、新潟県など、いろいろあるようですね。ここからさらに登っていきますが、道はすべて舗装されています。
神社から20分弱登った自動車道との合流点に竹之下一里塚が残っていました。
この辺り標高は458mと出ていますが、足柄駅が350m位なので100m登ってきたことになります。足柄峠までは後300mの登りですね。一里塚から更に20分弱登ると大きな石碑があります。唯念上人の銘号碑です。
そのすぐ先が赤い欄干の伊勢宇橋です。11時44分です。
伊勢宇橋から10分一寸で赤坂古道の入り口に来ました。矢倉沢往還というのは平安時代頃の足柄道を元にしているそうです。その道は近畿と関東を結ぶ道だったそうですが、相模の国から駿河湾の海産物を甲州へ送るのにも使われたとか。その中で、この辺りでは陶磁器用の赤土が取れたので赤坂道とも言われたとか。
このまま車道を進んでも足柄峠に着くのですが、出来れば古道を歩きたいと思っていたら、通行止めの案内です。一寸がっかりしながら、すぐ目の前の馬頭観音を見に古道へ入りました。11時56分。
古道を見ているうちに、どこが危険で歩けないのか見に行くことにしました。まあ荒れてはいるものの、危険と言う箇所が無く登っていきました。
20分弱登ると林道の工事現場に来ました。これが通行止めの原因だったのですね。
完全に削られているため、古道の痕跡も全くありません。地形図を見て方向を定め、一寸登って古道を発見しました。それを辿るとすぐ自動車道でした。12時19分。
車道を渡って、次の古道に入ります。7分で次の車道に出ました。12時26分です。
目の前に芭蕉句碑があります。
すぐ上に八体の地蔵さん。
そのまたすぐ上に上の六地蔵があります。そんなに古そうにも見えませんでしたが。
もう峠は近いでしょう。峠近くにはいろいろ石碑が立っています。
12時36分。石段が有ったので登ってみました。
上は広場になっていて石碑や東屋がありました。ガスの中に入ったようで展望はありません。
この広場で静岡県小山町と神奈川県南足柄市が、年1回綱引きをして、勝った方が来年まで、この広場を領有すると書いてありました。前回は足柄市が勝ったようで、相模の国になっていました。駿河の国は残念でしょうね(笑)。
ここの東屋で昼食休憩することにしました。
後半へ続きます。
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